大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2242 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人菅生謙三の上告趣意について。

第一点 所論は、原判決に掲げる証拠では強盗の犯罪事実は認められぬと主張す

るのであるが、原審の証拠として挙げている第一回公判調書(記録一〇三丁乃至一

〇五丁)によれば強盗の共謀の事実は認められ、その他原判決挙示の証拠によつて

原審認定の事実は認められる。それ故、論旨は理由がない。

第二点 所論は、被告人の原審公判廷における供述及び所論Aに対する検事の聴

取書の供述記載を証拠としたことを、証拠の価値判断に関する裁判所の自由裁量権

を濫用したものであると主張するのである。しかし、原判決が被告人の原審公判廷

における供述を本件において証拠としたことは、何等物の合理性に反するところは

なくその自由な判断に基くもので、所論のように自由裁量権の濫用と認めるべきか

どはない。次に、所論Aに対する検事の聴取書は、公判廷で被告人又は弁護人から

供述者の訊問を請求し拒否された事実のない本件においては、これを犯罪事実認定

の一証拠として採ることは別段違法ではないし(刑訴応急措置法一二条)、またこ

れを本件において証拠として採つたからといつて、証拠の価値判断に関する裁判所

の自由裁量権の濫用と認めるべきかどはない。

論旨は、それ故に、採るを得ない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 長部謹吾関与

昭和二六年三月二二日

最高裁判所第一小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!